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アート・音楽・その他 アーカイブ

2007年01月30日

哀しい予感 (シアター・ドラマシティ)

先週金曜日、観て来ました!
http://www.umegei.com/s2007/yokan.html

▲「ゆきの」の部屋です。
散らかり放題の和室。
空の部分には紙を花のモチーフで切り抜いたカーテンが垂れ下がっています。
まさに私の今年のテーマでもある「ガーリー」。
ばななさんの世界が上手くビジュアル化されています。

玄関の引き戸の上の部分から、光が差し込み、部屋を照らします。たぶん朝日。
弥生やゆきのを白い照らす青い光が塚本監督っぽい~!

加瀬亮君は影のある役の印象が強かったせいか、
明るい良い人の代表選手のような「哲生」はどうなのかと心配していましたが、
最後のほんとうの気持を話すシーンはグッときちゃいました。

市川実日子ちゃんと藤井かほりさんはハマり役。
塚本監督の映画に出てくる多くの女性は背が高くて細くて、白い。
そして、ちょっと中性的。
ちょっと、だらしのないゆきの役の藤井さんはずっと裸足でしたが、
存在感のある、大きめの白い足が格好いいんです。

心のこり・・・塚本監督のお姿を拝めなかった。
ラッキー・・・加瀬君を3mの距離で見られた。
       帰りにロビー&梅田駅で吹越満さんを発見。

つぎは『悪夢探偵』で、塚本ワールドを堪能するとしましょ。
『鉄男』バリにご本人が悪役で大暴れしてはるようです。
うーん、楽しみ~。

2007年01月31日

言葉を選ぶ (「哀しい予感」のつづき)

加瀬君は言葉を選んで誠実に話す人だと思います。
『アカルイミライ』のDVDのおまけ等、いろんなインタビューを見てそんな印象をうけました。
帰国子女なんだそうで、たぶん英語はペラペラです。

昔は英語を話す若い人を見ると、劣等感もあり「日本語あんまり知らないんでしょ?」なんて意地悪く思ってましたが、今はその逆です。
日本人で翻訳の仕事をされている方や、パックンなど日本語がパーフェクトに近い外国人が書いたものや、インタビュー記事をみると単純にスゴイ!と感動します。

きっと、同じモノを見ても、バイリンガルなら2ヶ国語、2倍のボキャブラリーの中から、的確な単語を当てはめることができるんじゃないかな。同じ意味の単語でも、ビミョーにニュアンスが違いますもんね。ばら色とローズカラーじゃ、パッと頭に浮かぶ色は全然違う。
外国語を身につけられれば、いろんなものの違いに敏感になり、世界が個性的に立体的に見えてくるんなないかなぁ・・・と思うこのごろです。

今回の舞台を見て、加瀬君はそんな人で、やっぱりそれが芝居ににじみ出ていたんじゃないかな~って思いました。

2007年02月11日

MIKA

わたしは初めてファンになったのはジュリーこと沢田研二。
幼稚園のころです。

その後は、好きなアイドルといえば近藤真彦そして、マイケルJフォックスと
たいへん健全な少女となったのですが、
十分おとなになった現在、再びマーク・ボランやレスリー・チャンなど、
倒錯的な雰囲気の男前は、はやりカッコイイもんだと再認識している次第です。

最近、ネットラジオを聴いてて気になってたのが、MIKA。
YOU TUBEで確認してみてください。
http://www.youtube.com/watch?v=uzA0nG_PurQ&mode=related&search=

その歌声はフレディ・マーキュリーを彷彿とさせ、
本人も意識しているのか歌詞には「フレディ」とでてきます。

ただ、インタビュー映像をみるとフツーの好青年です。
※何を言っているかは理解できていませんが、、、。

わたいも、つぎ男前に生まれ変われたら、
こんな風に裏声で唄ってみたいです。

2007年02月19日

ゆるり茶会

sakai.jpg

ゆるりさんのお茶会に行ってまいりました。旧正月のイベントです。
現在は店舗を構えておられないので、なんばのギャラリーにて。

今回のお茶は「阿里山・高山茶」と「木柵鉄観音」でした。
10名ぐらいの参加者で「阿里山・高山茶」のほうが好みだと答えたのは
唯一、わたし一人だけ。

「木柵鉄観音」も、とても美味しいんですが、毎日飲んでいる、
ほうじ茶と香りが似ているので、”特別”な感じがなくて、
気分があまり高揚しないんです・・・。
お茶で気分を高揚させようなんて、変ですか?
最近、お酒で高揚しないぶん、お茶でさせたいのです。
その点、”高級”烏龍茶である「阿里山・高山茶」は
ラグジュアリー感たっぷり、なんです。

写真はお茶請けのドライフルーツ。
ソフトイチジク、はじめていただきました。めっちゃ美味しい!

▼ゆるりさんのブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/yururi_blog

▼ギャラリー 編 & かのこ
http://dp08215294.lolipop.jp/
とても素敵なギャラリーでした!

2007年03月24日

日本のへそは遠かった!

heso.jpg

西脇市の岡之山美術館に行ってきました~。
横尾忠則大先生の作品を中心に所蔵している美術館です。
これがねぇ、めちゃ遠いんです。

先週オープンした「さくら夙川駅」で乗車、
芦屋で新快速に乗り換え50分ほどで加古川。
加古川から加古川線に乗り換え西脇市駅、単線に乗り換えて
美術館のある「日本へそ公園」駅下車。こちらも約50分。
乗り換えを含め合計2時間ほど・・・遠い!

「日本へそ公園」駅についたのは10時すぎ。
降りたのは私たち以外に、若いカップル、熟年カップルだけでした。

美術館は駅前にあります。駅前には他になにもありません。
若いカップルも美術館に訪れたらしく、彼らに続いて入場しました。
オープンの10時は過ぎていましたが、
私たちが入場したときに電気をつけてはりました。
かなり、のんびりしています。

美術館では「TADANORI YOKOO Y JUNCTION 展」が開催中。
横尾先生は最近、Y字路、こちら見て二股に別れた路を中心に描かれているようです。
その多くが夜の古びた町。非常に暗いです。
暗さが不安をあおる一因ではありますが、Y字路それ自体がかなり怖い。
右に行くか、左に行くか。どちらに行けば幸せになるのか。
どちらに行っても、またひとつの路になり、その路は地獄につながっている予感がします。
デビット・リンチの「マルホランド・ドライブ」の怖さに似て、とても魅力的。

岡之山美術館

美術館のあとは、近くのレストラン「花屋敷」でチキンカツを食べました。
熟年層を中心にかなりの賑わい。西脇市のオアシスとなっているようでした。

お腹がいっぱいになったところで、2時間に1本の単線で加古川に戻り、
西に進んで姫路城見学。

世界遺産の姫路城はもちろんすばらしかったですが、
駅からお城につづく商店街がイイ!
オシャレな服屋さん・雑貨屋さんが沢山。
そしてグっとくる昔ながらの風情を残した食堂も何件か見つけました。
お車で行かれるかたも是非、お立ち寄りください。

交通費はさくら夙川駅から日本へそ公園まで1600円ほど。
今回の交通費は4000円近くかかるところですが、18切符で節約しました。
まだ残っているので、消化試合、信楽あたりに行こうかと考え中です。

2007年10月24日

のびのび~のびのび~

すこぶる健康で、仕事のペースもいい感じ。
それなのになぜかちょっとブルーなの。34歳。

「絵本教室サボったろか!」
「仕事もせんと平日の昼間から京都に遊びに行ったろか!おらぁ!
 時代祭も終わったばっかりの、このタイミングにやぞ!」
とヤケになりかけたのですが、ぐっとこらえて、お昼すぎに神戸方面にの電車に乗りました。

学生さんや主婦のみなさんに混じって、車窓から、
六甲の山々を眺めてると、
「あぁ、私は世界一の果報者」と一転、幸せ真っ盛りになるのでした。

ふだんはだいたい目星をつけていくのですが、
今日は、たまたま通りかかった見つけたカフェでランチをいただきました。
インテリアも味も居心地の良さもバッチリ。あぁ幸せ。

そして絵本教室。
今日は、ダイナミックな墨の絵を描かれるWAKKUN先生の授業です。
書道用の筆と新聞紙を持参し、先生と同じ手法で描いてみました。

「上手い下手より、想いをぶつけなさい」というご指導でしたが、
性格も作品もチマチマしているので、なかなか上手くはいきません。

じゃりん子チエでヒラメちゃんが樹の絵を描く回がありました。
めっちゃ緻密なヒラメちゃんの絵を見たマサルが
「子供はのびのびした絵を描かんとアカンのじゃ
 ・・・のびのび・・・のびのび・・のびのび」
といいながら、倒れてましたね。

1枚目小さくまとまってしまったので、
2枚目はマサルを真似て「のびのび・・・のびのび・・・」と唱えながら描きました。

書道の真髄と思っていたカスレよりも、
濃淡をつけて描くのにハマりました。う~ん面白~い。

絵そのものには、お褒めの言葉はいただけませんでしたが、
「2枚目で筆に慣れたね」と言っていただきました。小手先はわりにね・・・器用なんですよ。

放課後。先生が他の生徒さんに
お気に入りの喫茶店を教えているのを盗み聞き。
今ネットでしらべたら、これがまた、なんとまぁ、ええ感じです。
行ったら報告しますね。

そして、モタモタ片付けているラスト二人。私ともう一人の生徒さんに、
「これ、いる?じゃんけんしぃ。」
と、先生がその場で描かれた絵を差し出してくださりました。

はい。勝ちました。ああ、なんて幸せな一日。

>>WAKKUN先生はこちら

2007年12月16日

ギューギューの1ヶ月

この一ヶ月はたくさん美術展に行きました。

●狩野永徳展(京都市博物館)
●島根県立美術館・・・常設展のみ
●BIOMBO/屏風 日本の美(大阪市立美術館)
●絵本、自由に踊れ(CAPHOUSE 神戸)
●ブック・アンデパンダン展(芦屋市立美術館)

他にも色いろなことがあり、濃い12月となっております。
ツタヤディスカスのDVDは一ヶ月ほど返してないし、
年賀状もできておりません。
気ぜわしい時期ほど、予定をどんどん入れたくなるものです。

cap20071212.jpg

写真はCAP HOUSEです。
絵本教室の授業で、観てきました。
とても素敵な古いビルですが、もうすぐ改装で、
CAP HOUSEというものが一旦、終了してしまうようです。残念。

到着してすぐ、「絵本、自由に踊れ」展を
主催された東野健一さんのインド紙芝居の上演がありました。
http://homepage2.nifty.com/rojyonotabibito/newp5005.htm

縦に描かれた絵巻物のような紙芝居です。
まさに上記URLの写真の紙芝居でした。
写真では分からないのですが、
このね、カニがね、めちゃくちゃ美しいんです。
東野さんのお客さんのいじり具合も絶妙でした!

そして、さっき行ってきた「ブック・アンデパンダン展」。
公募の手作り本の作品展です。
東野さんの作品のような絵巻物もありました。

出品作品が非常に多かったので、
わたしの気力・体力では一冊、一冊内容をじっくり鑑賞することはできず、
印象に残ったのは、本や文字を題材にしたアート作品でした。
やっぱり、パッと見て素敵なものに目がいきます。
来年は出したいな。

2008年02月03日

ももよんさんの作品展

友達の友達の若い女の子の作品展を神戸の住吉まで見に行ってきました。
とてもカッコ良くて、素敵な絵でした。羨ましい。

今回の作品展のために描いたという絵が
今までのものと雰囲気が全然ちがう。そしてすごく良くなっている。
成長の途中なんだなぁ。とさらに羨ましい気持でイッパイになりました。

オープニングパーティーだったので、たくさんのひと。
FM802の方もいらしていました。

友達に紹介してもらったものの、
34歳。最近なまけて絵も描いていない。
微妙な笑顔で名刺を渡すだけしかできず。非常に落ち込む。

さらに、この不甲斐無さと、
先週あった、いつもの仲間との新年会での
自分の「ご機嫌」ぶりとを比較して、さらに落ち込む。

といいつつ、最近は落ち込みつづける気力も最近ないので、今日も元気です。
お昼ごはんはきつねうどん(玉子・えのき・とろろ昆布入り)でした。

今月いっぱい絵が飾ってあるようなので、お時間のあるかたは是非。

●ももよんさん
http://momoyon.net/

●caffe NEUTRAL(会場のカフェ)
http://caffeneutral.seesaa.net/

2008年07月28日

はじめての模写

初山滋画伯の絵を模写してみました。

20080728.jpg

Aは先生の指導を全く受けないまま、初めて透明水彩絵の具を使って自由に塗りました。

Bは先生の指導後。

Aを塗っているときは、「けっこう近い」と思って塗ってたんですけどね。
お手本からは、かけ離れていますね。

一番の問題は「白の絵の具」を使ってること。
今まで不透明のアクリル絵の具しか使っていなかったので、
「白=白い絵の具」という思い込みで、いきなりブチュっとパレットに白をだしてしまいましたが、透明水彩の基本的な白の表現は「色をつけない」ということだそうです。

つぎに、色の作り方が非常にテキトー。
こっちのほうが問題か・・・?
色を近づけようという意気込みが感じられません。
非常にテキトーな性格がみごとに露呈しています。
でも、先生に指摘されるまで気づかないんですよね。

そして、ご指導を賜ったあとのB。
かなり近くなったじゃ、あ~りませんか。ニュアンスが。

実を言うと、外山滋画伯を知る前は、水彩画には興味がなかったのですが、
指導を受けながら、描いてみると、他の画家・イラストレーターの絵が違って見えてきました。
いわさきちひろ画伯の絵も「めっちゃスゴイ」と再認識。

習いはじめて2ヶ月。
絵の上達の程度はさておき、実際描いてみて、水彩画に対する認識がガラリと変わりました。
「実際描いてみて」と言っても、ひとりよがりで描いていたら、何年たっても同じだったかもしれません。

経験しないと感じ取れないもの、
意識的に・能動的に「見よう」としないと、なかなか見えないものは、沢山あるな、と、このごろ感じています。

2008年10月27日

ピカソ展

先日、東京のサントリーミュージアム(東京ミッドタウン)&国立新美術館で観てきました!

常設展で1枚や2枚、観ることはあったのですが、
いちどに沢山の絵を観ると改めて圧倒されました。

まずはサントリーミュージアムの「魂のポートレート展」。

はじめての東京ミッドタウン。ビックリしました。
ゴージャス。歩いてる人もお高級な空気をまとっています。
一昔前はテレビや雑誌で「東京vs大阪」的な特集があったように記憶しているのですが、
いや、もうね、今じゃ絶対そんな企画は無理ですね。比較になりません。

美術館の中は暗めで、それぞれの絵にスポットライト。天井は低めです。
人も少なめで、とても落ち着いて観ることができました。

作品は「ポートレート」ということで、人が中心。
青の時代の絵のような、筆の跡があまり残らない写実的な絵は凄いし、
いわゆる「ピカソ」的なキュビズムの絵も楽しいのですが、
わたしが好きなのは、ギリシャ神話を題材にしたエッチングや、素朴でおおらかな感じの油絵。
ゴツゴツした大きな手足をもった、のんびりした男女の絵は幸せな気持になれます。

「ピカソってスゴイな~、絵の力ってスゴイな~」とかなり興奮して、美術館を出ました。

そして、ランチ。東京ミッドタウンのスペイン料理屋さんでいただきました。
ピカソ展企画で、美術展の半券をみせたら、ワインかアイスクリームのオマケ付き。
絵を観て気分が良いので、お昼間ですが、ワインにしました。

pica.jpg

ひとりでルネッサーンス。音、出えへんけど。

その後、徒歩で国立新美術館に移動。
こちらは「愛と創造の奇跡展」です。
天井が高く、明るい広い会場に立体を含めた沢山の作品がありました。

そこにジャン・コクトーと一緒の写真が。すごく仲良しだったようです。知りませんでした。

▽コクトーの絵はピカソと似ているな~と前々から思っていました。
http://funkygemini.kt.fc2.com/miniart/kokuto.html

改めて観ても、やっぱり似てるな~。
どっちがどっちに影響を与えたのか?というのは愚問なんですかね。

当日、図録を買おうか迷ったのですが、
ネットで購入可能だったので、家に帰ってからオーダーし、今日届きました。

うーん、やっぱりホンモノを観てきて良かった!
・・・琳派展は時間がなくて、断念しました。

2008年10月31日

西岡文彦先生

東京行きの1番の目的であった多摩美での西岡文彦先生の講座。

先生の著書のすべてに言えるのは、
読んでいるとき、自分が頭が良くなってる気がすること。

もちろん、頭が良い人が書いた本であれば、
どれでも「頭が良くなってる気」になれるとは限りません。

芸術に関して造形が深いのはもちろんのこと、
受け売りの知識だけはなく、心の底から感じたことを、
元編集者の卓越した技術で書いておられるから、
私はそう感じるのだと思います。

・・・ということで、
数年前に古本屋ではじめて本を買ってからファンなのです。
一度、本物にお会いしたいと、はるばる行ってきました。

時間ギリギリに教室に入ると、席についているのは50名ほど。
50歳代、60歳代の方が中心でした。

1時間目は、ゴヤの絵の解説。
2時間目は、ソビエト版・アメリカ版の映画『戦争と平和』の比較。

ず~っと、関心しっぱなし。分かりやすいのは本と同じです。
率直で全く「もったいぶらない」雰囲気がステキでした。

プロジェクターを使った授業で教室が暗かったので、ノートもとらず、ほとんど忘れちゃいましたが・・・。
アカンがな。

ひとつだけ、印象に残ったお話を。
オマージュについて。
「人間は寂しがりやだから、誰かと共感したい。
オマージュは、自分がまだ表現できていない感情をあらわすことに成功している作品に対して敬意を払い、尊敬する先人の心の動きを追体験すること」
というようなことを言っておられました。
メモをとってたわけでないので、間違ってたらすみません。

逆に言えば芸術を志す人は「こういうの(気持)って、あるでしょ?」というのを、
何らかの手段を使って、第三者に共感させようってしてるんでしょうね。

▽西岡先生の載ってるページ。格好いいです。
http://www.bunkamura.co.jp/gathering/guest/guest05.html

200810-tokyo.jpg

帰り。唸りながら授業内容を反芻しつつ、新幹線で、ルネッサーンス。
プラスチックやけど。

2009年02月12日

山下清展

先日、伊丹市立美術館で観てきました。

駅から美術館までしか歩いていませんが、
古い建物とも違和感のない
景観に気を配った町づくりが、なされているようです。

特筆すべきは伊丹小学校。
急勾配の屋根の美しい校舎が遠くからも見えます。
高い壁ではなくて、低い生垣で囲まれているんですね。
とても開放感があり、気持が良い。
外から丸見えでも、生垣が幅すごい幅だから、不審者もなかなか入れない。
こんな学校なら、もう一度通いたいと思いました。

さて、山下清画伯の絵。感動しました。
細かけりゃ良いってもんではもちろんないのですが、圧倒されます。

自画像の背景の壁、お花の後ろの壁。
壁紙なのか単なる柄なのかわかりませんが、とにかく執拗に細かい。
かといって「すごいだろ!」って、自己主張していないんですよ。
そこがね、個性でもあり、ちょっと怖いところでもあるんです。
ヘンリー・ダーガーや、高村智恵子の貼り絵と同じ怖さです。
見てはいけない「違う次元」を見てしまったような、そんな怖さです。

●ヘンリーダーガー
●高村智恵子

画伯の絵といえば、花火の絵の鮮やかさを思い出される方が多いと思うのですが、
シックな色合いの絵が多いのにも驚きました。渋くてお洒落。

それから、一番意外だったのが「自画像」。
今回の展覧会のポスターにもなっていたのですが、かなり写実的なんです。

多くの風景画のなかに小さく描かれる人々は、ホントに適当な扱いで、
顔は「前」・「横」・「後」の3パターンのみ。表情なし。
まったく生き生きしていない。
たぶん、人に興味がないんだろうな~って思っていました。
興味がないから描けなくなったんだろう、と。

そこで、自画像・・・バッチリ描けるんですよ。
だけど、人物(自分)の内面やら躍動感やらを表現しようって訳じゃなくて、
お花やニワトリと同様に、細部を見て描こう!って考えただけなんですね。きっと。
たぶん、人にあまり興味がないというのは、間違いないでしょう。

画伯が書いた『日本ぶらりぶらり』という本を何年か前に読みました、
稚拙な印象はあるものの、とても面白くて、サラサラ読めるんです。
高尚か稚拙かにかかわらず、詰まっちゃう文章ってあるじゃないですか。
テレビの『裸の大将』のぼんやりした印象があったんだから、
誰かの代筆かと思っていたのです。
が、展示品に日記帳がありました。
特別上手いとは言えないものの、読み安い字、誤字脱字がほとんどないないのです。
文体も、本そのまま。大変失礼しました。

最後に本人が登場するビデオを見ました。
なぜか、お金持ちの家の応接室風のセットのなかで、画伯が制作しています。
花火の絵を描いて(貼って)ました。
ビックリするようなスピードで的確に作業をすすめています。

モーツアルトの頭の中には完璧な楽譜があって、
作曲はそれを書き出すだけだった、
っていうようなことを聞いたようなことがあるような(ないような)。
まさにそんな感じ。

消えてしまわないうちに、大急ぎで出しきっちゃいましょう!というような勢いです。

始めはスラックス&ベルトをしていたのに、
そしてセットの窓が夜モードになる頃にはデカパン一丁!
真剣勝負は薄着で挑むんでしょうね。
有名な大先生と思われる陶芸家の下で絵付けをしているときも、パンツ一丁でした。

みんな見てましたよね?テレビの『裸の大将』。
シチュエーションは作られたものであっても、
お人柄にあまり嘘はなかったようで、なんだか嬉しくなりました。
帰り道、「野に咲く~花のように~」と、うたいながら歩きました。

2009年03月03日

変な動物と乙女

先日ご紹介したギャラリー6Cさん、すでに合計4回も、お邪魔しました。

20090303.jpg

中村晃大くんの一筆せん。
書くところがないのが、若者らしく、アバンギャルド。

ギャラリーには実在する変な動物と中村くんの頭の中の変な動物がたくさん居ました。
「メンダコ」という可愛いタコを教えてくれました。

事前にもらっていたステキなチラシには公園の遊具・オブジェを変な動物に仕立てたものが沢山描かれていたのですが、その絵が無い。
「チラシの絵はないのですか?」とたずねたところ、「いつも、チラシ専用に描いてます」とのこと。尊敬いたします。


20090303-2.jpg

その次の作品展、wassaさんの「乙女」も我が家にお迎えしました。
ギャラリーは、上も下も、こんな可愛らしいのがテンコモリでした。

wassaさんのお友だちと思われる方がステキなカメラカバーを持っておられたので、思わず話しかけてしまいました。
ご本人のお手製で、手作り市等で、注文を受け付けておられるそうです。一つ一つ採寸し、布を選んで作るので、ネットでの販売はなし。欲しい方はサイトで、出展をチェックしましょう。
トップページのトレードマークの絵はwassaさん作。

無機質なクセして扱いにくいカメラのカバーに辟易していたところにグッドタイミングな出会い。
好きな空間には、好みの物があつまるもんですなぁ。

◆ギャラリー6Cさん
http://www.galerie6c.net/

●中村晃大くん
http://www.codaiweb.com/

●wassaさん
http://www.wassa.sakura.ne.jp/cgi-bin/mt/blog/

●カメラのお布団「ざくろ」
http://zakuro.cc/

はじめてお邪魔したときにキュンときた「植物」をコーディネートされた方の作品展が今日から、始まってる様子。お近くの方、行ってみましょう。

2009年08月17日

佐川美術館

もともと行くつもりだった「太田大八とえほんの仲間たち展(佐川美術館)」をのチケットをいただき、滋賀県まで出かけてきました。水を湛えた湖畔の美しい美術館です。

20090817-1.jpg

太田大八さんは今年90歳。現役の絵本作家さんです。
大好きな絵本『傘』の原画もありました。とても有名なのでご存知の方も多いと思います。

赤い傘の女の子がひとり、父さんを駅まで迎えにいきます。
言葉はありません。とくに事件も起きません。
それだけの絵本ですが、洗練された構図のモノクロの画面に配置された赤い傘が印象的です。

女の子は5つか6つでしょうか。
小さな子供が一人でお父さんを迎えに行くことが「非常識」となってしまった今、
すてきな日常を描いた物語ではなく、もう存在しないノスタルジックな物語になってしまいました。寂しいな~。

ほかに印象的だったのは、『絵本西遊記』。
1997年6月初版といことは、75歳を過ぎてからの出版です。
繊細で色鮮やかで「新しい」イメージ。格好いいんです。

75歳になるまで40年はある。
健康で元気に頑張っておけば、なんとか間に合うかなぁ・・・。


こちらは、樂吉左衞門館。
20090817-2.jpg

▼以下、佐川美術館のホームページより引用
「守破離(しゅはり)※」をコンセプトに、美術館としては珍しい水庭に埋設された地下展示室と、水庭に浮かぶように建設された茶室の2つで構成。樂家の伝統と斬新な造形美を表現するべく、樂吉左衞門先生ご自身が設計創案・監修されました。
※千利休の「規矩作法 守りつくして 破るとも 離るるとても 本をわするな」から来た言葉

ギリギリまで照明を落とした暗い室内に水を挟んでゆらぎを含んだ太陽光が入ってきます。
器を生かすために、つくられた空間ですが、空間そのものに感動しました。

とても贅沢な気分になれますよ~。

2009年08月23日

須飼秀和展(@明石市立文化博物館)

秋の作品展に向け、
やる気とヒントをいただくため『須飼秀和展』を観にいってきました。
日本標準時の子午線上にある明石市立天文科学館の近く。明石市立文化博物館です。

須飼さんの絵はとっても、やっさしぃ~い。谷内六郎似です。
「○○似」というのは、あまり上品な褒め言葉ではないとは思うのですが、
私は谷内六郎が大好きなので、許していただきたく存じます。

展示されている絵は明石を中心とした懐かしさを感じる街角の風景画、百数十点。
「あっ、見たことある!」と思ったら、以前住んでいた大正区のお風呂屋さんでした。

須飼さんの絵の特徴は、どの絵にも、雲がひとつも浮かんでいないこと。
しかも、全く同じ色合いのペンキで塗りつぶしたようなブルー。

町を見てもらうためなのか。
安易な演出を排除するためなのか。
聞いてみたいな~。

チラシにはプロフィールがなく、
50歳代の男性と勝手に思い込んでいましたが、
なんと1977年生まれ。
この歳で、この作風。そして圧倒的な作品数・・・。
あぁ嫉妬。

●須飼さんの作品が掲載されているギャラリー島田さんのページ
http://www.gallery-shimada.com/schedule/exhibition/sugai_0809.html

帰りは駅前商店街「魚の棚」を散策しました。
明石だけあって、生のタコだらけ!
「昼網」の札。お昼にあがったピチピチのタコさんなんですねぇ。

20090821.jpg

調理する腕がないので購入しませんでしたが、
活気のあるお魚屋さんが並んでいる楽しい商店街でした。
明石焼きのお店も多し。

2009年08月27日

ヌードクロッキー

十数年ぶりにヌードクロッキーをしました。

絵本教室卒業生仲間との寄り合いで、
何度かお互いをモデルに描いた(もちろん着衣)のですが、あまりに下手くそ。
自主練をしようと思い立ち、クロッキーができる場所をネットで探しました。

場所は西宮北口のサコタアートオークションさん。

参加者は私を含め4名でした。ずっと年上の男性3名です。
あと、運営されているサコタさんも描いておられました。
講師はいません。

クロッキーの時間は2分~15分です。

モデルさんがゆっくりと自分の意思で動き、
だれかが「ストップ」の声をかけると2分ほど静止、
その後また動きはじめる、ムービングというのもはじめて体験しました。
何をどうしていいのやら、あたふたしている間に10分が過ぎました。
動いている間も他の方々は描き続けておられるようでした。

モデルさんは、誰の指示を受けるでもなく格好いいポーズを決めてくださいます。
上から下まで緊張感をもってポーズ。さすがですね。
特に手のポーズが格好良くて、女らしさの極意のようなものを感じました。

クロッキー、めちゃくちゃ楽しいです。
自我が無くなくなりますね。
集中しすぎて、呼吸の回数も減っているだろうな~。

休憩時間にあつかましくも、
彫刻をされていたというサコタさんに色いろ質問して、
コツを伺いました。納得納得。
しかしまぁ、絵には反映されませんでした・・・。

20090826.jpg
【2分】の成果。

クロッキーが終わったあと、ギャラリーにて作品を拝見。
オークション用の若手作家さんの絵が沢山展示されていました。

サコタアートオークションさんは年に1回、
神戸の会場でオークションを開催されています。

現代の若手作家さんの作品も少しはあるそうですが、
売買される作品はほとんどは「名の通った」作家さんのものだそうです。、

オークション前には作品を見てもらうための展示会を開き、
作品の写真と予想価格の入ったパンフレットを作成されます。
去年のパンフレットをいただきました。
超大物の芸術家を発見しましたよ・・・誰だと思います?
びっくりしますよ。

ロダン。千利休。

大物にも程があります。
藤田嗣治のリトグラフもありました。

ロダンと千利休はさすがにビックリ価格ですが、
リトグラフとはいえ、藤田嗣治の作品はOL初任給で買える価格。
美術館で見る作品に"予想"とはいえ値段がついているのは新鮮です。
下世話ですが、面白いです。

つぎのオークションは秋。
「気軽に楽しんでもらいたい。デートコースにでもなるといいな」と仰ってました。

不景気であっても「売りたい」人も増えるので、
取引が少なくなるということは無いようです。

オークション、行ってみたいと思います。
クロッキーも月に1回。時間が許せば続けたいな~。
秋に向けて楽しみが増えました。

2009年09月07日

神戸アートマルシェ(@クラウンプラザ神戸)

神戸クラウンプラザってご存知ですか?
新幹線の新神戸駅直結の旧新神戸オリエンタルホテルです。

ホテルが出来たのはバブル期。
我が家も、多分ぷちバブルだったのでしょう。
日帰りの距離にも関わらず宿泊し、はじめてのフランス料理のフルコースをいただきました。
多種多様なワゴンで運ばれてきたチーズを、ものめずらしさで、山ほど取り分けていただきました。
生まれて初めてブルーチーズ、あまりの臭さに水をひっくり返してしまいました・・・。

ホテルの一角には「キング&クイーン」もありました。
ディスコという場所には無縁で、行ったことはありませんが、存在だけは知ってました。

浮かれてました。
お金の使い道、間違ってましたね、桐谷家も、世間も。
でも、なんだか懐かしいわぁ~。

さて、このクラウンプラザにて開催された
神戸アートマルシェと題される楽しげなイベントに行ってきました。
15Fの客室がすべてギャラリーになる、というもの。

神戸を中心としたギャラリーさんと個人の作家さんが
ひと部屋ずつ、それぞれにディスプレイされています。

最終日の日曜日というのもあって、たくさんの人が、ホテルの部屋を出たり入ったり。
不思議な光景でした。
全室シングルorツインで、特別豪華なお部屋はありませんでしたが、
部屋によって、窓からの風景が違う。当たり前なんですけどね。
一度に見比べるとなかなか面白かったです。
スイートなんかも公開していただけると、もっと楽しめるんですけどね。

部屋にピッタリの絵を展示されているギャラリーさんがありました。
点数は少なめ。
落ち着いた雰囲気で、「ニューヨークのホテルには、こんな部屋があるかも」って感じでした。
ギャラリーの方が「うちは、どう飾るかもご提案しているので、ホテルの社長さん、観に来てくれないかな」って仰ってました。(立ち聞き)

マルシェ。つまり市場です。
わたしは喜多千景さんの花器を購入しました。

20090907.jpg

可愛いでしょ。花は帰りに買いました。
素朴、と見せかけて銀色のラインが格好いい。
最近、歳のせいか、年々ひかり物に弱くなる私です。

●神戸アートマルシェ2009
http://www.art-marche.jp/index.html

●喜多千景さんのページ
http://www.art-marche.jp/ex/1515.html

●キング&クイーン
http://maharaja.web.infoseek.co.jp/kingkobe.html

2009年09月29日

大ギリシャ神話展(2009/10/22~11/3)

ura.gif

大ギリシャ神話展。来月22日からです。
5年の沈黙を破って大きくなって帰ってきた!・・・私の個展です。

ギリシャ神話をテーマにした絵を飾ります。
何がいったい「大」なのか・・・なんとなく、エエかなぁと、思って。
「凄そうやな~」と、みんな来てくれるかなぁと、思って。
実際には「小」でも、それはそれでエエかなぁと、思って。

ちなみにDMはペンで描いたものですが、作品展は水彩画です。
よろしくお願いいたします。

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大ギリシャ神話展
桐谷美紀作品展
2009.10.22[木]~2009.11.3[火]
11:00~19:00
定休日:水曜日
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会場
オーダー家具とアートな雑貨の店
Cell-D Co. LaBo
〒664-0857
兵庫県伊丹市行基町1-10-101
[TEL&FAX] 072-773-7933
[URL] http://bolds.jp/
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DMを詳しく見たいかたはこちら(pdfファイル)

2009年12月04日

零士先生和解

先日、零士先生がマッキーさんと和解したとのニュースをネットで読みました。よかったです。
騒動の内容に関しては68%零士先生寄り。プラス、私は『銀河鉄道999』ファンなので、100%先生を応援していました。

でもまぁ、勝ち負けの問題でなく、とにかく終わってよかったです。

『銀河鉄道999』は私が幼稚園児のころ放映され、大ヒット。
そのころから陰気で友だちが出来にくい私はメーテルの絵を描くことによって、なんとか他の園児たちとコミュニケーションをとっていたものです。

話は変わって、数ヶ月まえ、外国の方がYOU TUBEでマチャアキ版の西遊記を編集し8分弱にまとめたビデオを見つけました。

☆見どころ
0:05 悟空の表情
0:12 如意棒のでっかくなるさま
1:13 沙悟浄が出てくるところ
1:15 悟空の角度
4:13 ほんまに危ない!!!
4:49 私には、生きているように見えるよ!

かっこいいです。音楽もマッチしてて興奮します。
CGは突っ込みどころ満載なんですが、手作り感覚がイイ!「素人料理」と看板に掲げた小料理屋はどうかと思いますが、西遊記のやさしいCGには癒されるぅ。
わたしは「癒し」という言葉を使って「安易につかうべきてない」怒られた経験があります。でも使っちゃうよね。ピッタリなんだもん。

これを観て、こんな絵が描けたらエエな~と思いました。
西遊記みたいな絵。難しいな。

そして、西遊記DVDボックスを買っちゃいました。
観たい人はうちに来てね。まだ貸せません。

そして、私の子供時代の精神的な基盤になったものの図を書きました。

20091204.gif

ゴダイゴも大好きです。
2つの円が重なっているところは特に意味がありません。ムリヤリ埋めました。

西遊記DVDボックスの感想はまたこんど。

最近のコメント

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