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映画 アーカイブ

2007年01月25日

クリムト(2005年・オーストリア/フランス/ドイツ/イギリス)

水曜日にハーバーランド観てきました。
神戸の映画館って、火曜日がレディースデーなんですよ。

夙川に引っ越して神戸に一度も行ってない。仕事でなくて、遊び。大阪行きの電車に乗るのは勿体なくて、神戸で唯一、水曜日1000円の映画館であるハーバーランドのシネカノンに行ってきました。

画家の映画といえば、過去に
『愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像』
『バスキア』『フリーダ』『キャリントン』
を観ましたが・・・いちばん楽しめませんでした。

クリムトの絵に対する姿勢、恋愛、狂気、時代背景、、、どれも中途半端で、何が主題なのかサッパリわかりません。

自由な恋愛でわずらった梅毒が原因で精神的に病んでいるらしい主人公ですが「実在しない人物」をたまに見るだけで、その他の行動はいたって普通。
マルコビッチの存在感だけでなーんか場を持たせている感じです。
精神病院の患者や精神を病んだ母親と妹がでてくるシーンも、「狂っている・退廃的」な雰囲気をかもし出すだけのために、挿入されていているようでガッカリ。

とにかく、クリムトが何を考えていたのか、サッパリ感じることが出来ませんでした。なんとなく退廃映画・・・ガッカリ。

良かったのはエゴン・シーレ役の俳優さん。
画集で見た自画像のシーレそっくり。かつ、なんだか可愛らしい。
「パントマイムやってました?」な雰囲気で、話していないときの演技が素敵でした。
ナスターシャ・キンスキーの義理の弟で、ニコライ・キンスキーという俳優さんらしいです。
ちょっと、劇団ひとりを思い出しました。キモカッコイイ?。

2007年02月05日

悪夢探偵(2006/日)

観てきました。悪夢探偵。
塚本さん、やりたい放題。いいですっ!

流し台の上に包丁を持ってたたずんだり、
太極拳のポーズをしたり、血の涙をながしたり。いいな~。
「自分の世界観を誰にでも分かるかたちで再現する。」
というのが一番の目的でしょが、
誰にも邪魔されずにすき放題演技できる、
というのも映画監督の醍醐味ではないでしょうか?

『鉄男Ⅱ』では、変な辮髪姿で、
水銀と思われる液体に背中から「す~っ」と沈んで、
パワー補給する姿も素敵でした。
(里見八犬伝の夏木マリさんの血のプール、のようなもの)

恐ろしい・奇妙な悪役のポーズやら、アイテムなど
アイデアが浮かんで、鏡のまえ自分でシミュレートして、
「イケる!」って思ったとき気持いいんでしょうね。
いいなぁ・・・。

血が飛び散る映画が大丈夫な人はきっと楽しめますので、
みなさんどうぞ。

hitomiさんが想像以上に好演されていましたよ。

2007年07月01日

メルシィ!人生 (2000/仏)

近所にツタヤがありません。
引越して半年以上になりますが、
一度だけ近所の「じゃがいも」というお店でレンタルしました。
想像通りの品揃え。数が少ないのに目当ての作品が見つけられない。

一念発起して、ツタヤディスカスに登録しました。
そして、記念すべき第一回レンタルは『メルシィ人生!』。
『奇人たちの晩餐会』のフランシス・ヴェベール監督作品です。

主人公の名前は『奇人』と同じピニョンさん。
『奇人』のピニョンさんは行動も容姿も奇抜でしたが、
今回のピニョンさんは、いたって普通なダニエル・オートゥイユ。
ロバート・デ・ニーロを知的なフランス人にした感じの、あの人です。

ピニョンさんは美しい妻と生意気な高校生の息子に出て行かれ、一人ぐらし。
出て行くにあたっての、原因は特にありません。あえて言うならツマンナイから。
そして、会社も地味すぎて(?)クビ寸前。
自殺しちゃおうかな、ってベランダに立ったとき隣の老人がアイデアをくれます。
ゲイのふりをしなさい。
「クビ?、”ゲイのせいで不当解雇だ!」と無言の圧力をかけるのだ!
老人が送った合成のゲイ写真で会社は大騒ぎ・・・、というお話です。

経理部の同僚の女の子は、「あの目つき・・・私は分かっていた」と言い、
息子は、つまらないヤツだと馬鹿にしていた父親を尊敬する。
マッチョな上司(ドパルデュー)は、
ゲイ嫌いを隠すためピニョンさんに優しく接しようと心がけたのがキッカケで、ピニョンさんに恋に似た感情が芽生える始末。

とにかく地味。気遣いだけがとりえだったピニョンさんでしたが、
騒動のなか、自己主張しはじめ、自分を捨てた元嫁ともスカっと決別。
素敵な彼女もでき、ハッピーエンド。

会社にいったら、まず同じ部署の愛想もクソもない女性二人に
「コーヒーどうですか?」って、たずねるのが日課だった気遣いの鬼、ピニョンさん。
マッチョ上司や冷たい同僚のピンチにその力を発揮。
ひとを気遣う優しい心がゲイ騒動で、
やっと皆に伝わるぐらいパワフルに働いたのですね。

元嫁に「息子にゲイじゃないと言うな。今の時期はゲイでも父親が必要だ!」と告げ、
ネコが居なくなって落胆する隣の老人に「ネコが見つかったよ~」とどこかで仕入れてきた別のネコを差し出す。
自分が気分良くいたい、っていう気持ももちろん否定できませんが、
基本はヒトを喜ばせたり、安心させたいというのがピニョンさん。
その行動が、勝利をおさめたのです。

本当のことって、一番大切?
どんな行動も愛情と誠意があれば、それが真実だ!っていうことですね。
う~ん、おフランス。
「ありえへん!」というシーンも満載ですが愛情と誠意で軽くクリアしています。

見所は、ドパルデューをけし掛け、恋までさせた同僚3人。
会社の騒動を静観しつつ、差別的なドパルデューをおちょくりまくる。
超クールじゃないですか。こんなイカした脇役が出てくる映画って観たことないです。

ご覧あれ。

2007年07月15日

ワンダーランド駅で (1998/米)

不機嫌な看護師エリンと
海洋学を学ぶ貧乏な三十路学生アランが出会うまでの恋愛未満映画です。

水族館や電車でニアミスの連続。出会いそうで出会わない。
でも、そこでドキドキはしません。
だって、二人はお互いのことを知らないし、
「運命の出会い」なのかどうか、二人にも私にも分かりません。

映画の90%を占めるのは出会う前の二人を取り巻く、どこかで見たことのあるような人々や、水族館でのエピソード。2人に共通するのは不器用さや生真面目さや寂しさ。映画がすすむにつれ、感情移入していきます。

ラストシーンはアメリカの東海岸の静かな海。
出会ったばかり。ロマンチックすぎず、淡々として。
アランの「歩く?」の軽いお誘いに間髪いれずに喰いつくエリンが微笑ましい。
「運命の出会い」であることを祈ります。

★★★★★
すごくオススメ。
恋愛映画はたくさん観ていませんが、『ラヴ・アクチュアリー』より素敵だと思います。
ラブストーリーが苦手な人でも、「良く出来てるな~。」って思うんじゃないかなぁ。


その他の見どころ

1)
他のビデオを借りたとき、この映画の予告編を何度か見てて、ずっと気になっていました。
「別れる理由」を演説するエリンの元同棲相手のフリップ・シーモア・ホフマン。やっぱり本編でも良い仕事をしてはりました。
彼の困ったような笑顔が大好きです。
思わず画面の前で真似てしまいます。恋はしませんけど。
フリップ・シーモア・ホフマン主演でマイケル・ムーアを主人公にした映画(フィクション)つくってほしい。

2)
水族館のマスコットであるハリセンボンとそのエピソードがすごく良い。
動物好きなら間違いなく「キャハッ~!カワイイ~!」って思うことでしょう。

3)
ときおり、エリンが未来を占うように、本を開き、目を閉じて指差します。
さて、どんな言葉に出会えるでしょうか。
その女心、わかるわ~。

2007年07月22日

スイミング・プール (2003/仏=英)

ミステリーやサスペンスにあまり興味がありません。
結末を知っていても、映画の面白さって、さほど変わらないんじゃないの?と思っていました。

が、この映画は、結末を知らなくて良かった!!!

▼▼▼ネタバレです▼▼▼

イギリスの初老のミステリー作家、サラ・モートン。
作品はソコソコ売れているものの、作家としての方向性に疑問をもっている。
彼女は、プライベートでは彼氏でもある
出版社の社長が所有するフランスの別荘へ一人でバカンス&仕事で行くことにする。

・・・たぶんココまでは現実(映画のなかの現実)。
そして、これから後は作家であるサラの小説の中との境界線が曖昧になってくる。
もちろんそれは映画のクライマックスで明かされることであって、
わたしはラスト10分まで「現実」として映画を鑑賞しました。

別荘にやってきた彼氏の娘、ジェリー。
彼女が引っ張り込んでくる、何人もの男性。
そして殺人事件が・・・。

これがサラの作った物語だと気づかないなりにも、
沢山の違和感を感じました。

●違和感1
後に殺される別荘近くのレストランのウエイターが登場するシーン。
重要な役割を果たすにしては、
あまりに感情のこもらないドキュメンタリーのような映像。

・・・多分これは「現実」ですね。
サラのストーリーの「殺される登場人物」のヒントになる現実のふつうの男。

●違和感2
ジェリーの連れてくる男たち。
神々しいほどに美しいジェリーとは対照的な男性陣。
やさしくもなく、知的でもありません。
それなのにジェリーは「行っちゃいや」「絶対また来てね」と、媚まくる。
あまりに不自然。

・・・地味な初老作家サラの美しさや若さに対する嫉妬?

●違和感3
別荘を管理するおじさんの娘の不思議の国住人のような風貌。
この殺人事件に必要な登場人物なのか???


以上のような「なんだか変だな~」というような気持で、クライマックスを迎えます。
サラが社長に今までとは違うタイプの自信作を読ませるシーンで、
「ああ、サラのつくった物語だったのね。」と合点がいくのです。

ジェリーのふわふわした存在感。
その美しさにもかかわらず、誰からも愛されず、ふしだらで絶望的に孤独。
それは初老のミステリー作家、サラの頭の中で想像の女の子だったのです。

なんだかすごく愛おしく、
映画の中の「現実」であっても存在してほしかったような、
不思議な気持になりました。
わたしがこんな気持になるのは、サラが愛おしい存在として描いていたということでしょう。

違和感を思い返して、
「あれは現実かサラの物語か?」と何度も味わっています。
映像と音楽も素敵です。

フランソワ・オゾン。67年生まれの若い監督です。
これからどんな映画をつくってくれるのか、とても楽しみです。

▼スイミングプールのサイト
http://www.gaga.ne.jp/swimmingpool/

2007年08月04日

インランド・エンパイア (2006/米=ポーランド=仏)

5年ぶりのリンチ映画、観てきました。3時間。ながっ!

前作の『マルホランドドライブ』と同様に、ヒロインがリッチで上品なハリウッド女優とギリギリの精神状態の貧しい女性を行ったりきたりします。
これ以上の説明できません。

前作のコピーは「私の頭はどうかしている」。
「この映画を楽しめる、わたしもどうかしてるかも、ふふふ」と余裕をかましていましたが、
もう、ついていけません。
リンチさんはどうかしていますが、わたしはどうかしていないようです。

『ブルーベルベット』『砂の惑星』『ロストハイウェイ』『マルホランドドライブ』『ツインピークス』など、過去の作品はラブシーンの有無にかかわらず、幻想的でセクシーな印象でしたが、
今回はそういうの一切ナシ。まじりっけなしの悪夢。
そういう意味では『イレイザーヘッド』に近いです。
『ツインピークス』でいえば、ローラの両親とボブが出ずっぱりみたいな感じかな・・・ちょっと違うか。

裕木奈江ちゃん、全然変わってませんでした。若~い。

2008年03月10日

ぼくを葬る(おくる) (2005/仏)

仕事と確定申告と絵本で頭がいっぱい。
夕飯をつくる気もせず、ルーツさんに行ってハンバーガーとコーヒー。
忙しいと頭と気持がいっぱいになるだけで、作業効率は下がるいっぽう。
毎年、3月は毎年いっぱいっぱいで、自分の器の小ささを実感します。

置いてあった雑誌『Pen』をパラパラ。
どこかで見た顔が・・・。フランスの俳優メルヴィル・プポー!
数ページにわたってヴィトンの服のモデルをやってました。

メルヴィル・プポーは
フランソワ・オゾンの『ぼくを葬る(おくる)』という映画で知りました。
この『Pen』の写真はイマイチでしたが、映画では本当に本当に素敵なのです。

主人公(メルヴィル・プポー)は、仕事ができるスカした写真家。
そして、ハンサムなゲイのフランス人。
彼は、医師から余命数ヶ月の宣告を受け・・・というストーリーです。

あらすじを知った限りでは、「男性の耽美的な映画」という印象で、
あまり興味が沸きませんでしたが、
スイミングプール』のオゾン監督の映画なので観てみました。

主人公は残り少ない時間で、恋人や確執のある姉、おばあちゃんにそれぞれに合った方法で、静かにお別れをします。そして、偶然出会った子供のできないカップルのために協力します。
すべて、ゆっくり淡々と。
私がこう書くと、つまらない映画に思われるかもしれませんが、すごく良い映画です。こんな気持で最期を迎えることができれば幸せだろうな、と思いました。
やっぱりフランソワ・オゾンはスゴい!

▼ぼくを葬るのサイト
http://www.bokuoku.jp/

20年ほどまえ、イギリスのゲイ映画のブームがありましたね。
『アナザーカントリー』に『モーリス』。懐かしいなぁ。

それから、エロチック韓国映画ブームもありました。
忘れ去られた「第一次韓流」。
そのとき私は中学生。雑誌『ロードショー』でなんだか凄そうだ・・・と読むだけでしたが、
かなり印象的に残っています。観たことある人います?

2008年06月16日

アフタースクール (2008/日)

あの『運命じゃない人』の内田けんじ監督、メジャー2作目。

『運命じゃない人』と同じく、
同世代の[男の友情]を中心にすえた大どんでん返し映画であります。
同世代というのは監督であり、私。
キャストもみんな似たような年齢。それだけで観てて楽しいです。

『運命・・・』のメインキャストは知らない俳優さんでしたが、
今回は超メジャーな大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人&常盤貴子という今を輝く俳優陣。

きっと映画の評価がメチャ高かったんでしょうねぇ。
『運命・・・』俳優さんも、テレビに良くでてはるし。

▼▼▼ネタバレ▼▼▼

エリート社員・木村(堺)が今日にも子供が生まれそうな妊婦の妻(常盤)を置いて失踪する。
そんな中、近所に住んでいる二人の同級生の教師、神野(大泉)のところに、怪しげな探偵(佐々木)が木村の行方を追ってやってくる。良い奴だったはずの木村はヤバいことにかなり手をだしたようだ・・・。
というのが、前半85%のお話。

このストーリーがね、全部「映画を見てる人の勘違い」なんです。

映画の中の「勘違いさせるシーン」というのは、映画のなかの人を騙し、それを見てる観客も騙されるというのがスタンダードだと思うのですが、
この映画では、そのれらのシーンのほとんどが「観客専用」なのです。映画の中の誰が騙されてるかってのは、ほとんど重要じゃない。

最後の15%ぐらいで観客はやっと物語の全貌を知り、
「あら、そうだったの!!!」とビックリ仰天しつつ、ニヤニヤしてしまうのです。
そのニヤニヤのさせ方がね、ものすごい上手いんですね、内田監督。

そして、特筆すべきは、堺雅人さんの演技。
前半は笑ってても、実に怪しげ。
ものすご~く顔ちっちゃいしね、何考えてんだかわかんないんですよ。
で、最後、救いようもなく良い人ってことが分かったら、
やっぱりそのように見える。すごいなぁ。
私も単純なだけど、ほかの人も同じように感じたと思います。

しかし、やっぱり、内田監督はすごい。

欲を言えば、『運命・・・』のほうが沢山ニヤニヤしたので、次回はスタートから75%ぐらいでネタバレしてほしいな~。

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